ブラックミラー「ランク社会」(Nosedive)の感想

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Netflixオリジナルドラマのブラックミラーシーズン3第一話のランク社会(Nosedive)を見た感想です。

「ブラックミラー」シリーズは、テクノロジーが進んだ社会の「世にも奇妙な物語」っていう感じです。もしくは、藤子不二雄SF短編集みたいな。一話完結で1エピソード1時間程度なので見やすいと思います。ただ、ハッピーエンドの話はほとんどありません。ディストピア(ユートピアの逆)を描いているので絶望しかありません。
箱舟はいっぱい (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集〉)
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シーズン3第1話の邦題は「ランク社会」と分かりやすくなっていますが原題は「Nosedive」です。「Nosedive」というのは俗語で「大暴落」「急落」と似ていて速いスピードで落ちることを意味します。日本語の「つるべ落とし」に近いです。対義語は「skyrocket」といった所でしょう。

ブラックミラーのシリーズはイギリスが舞台の話が多いのですが、「ランク社会」は珍しくアメリカが舞台でした。1960年代のアメリカのニュータウンをパステルカラーにしたみたいな世界観です。

「ランク社会」のあらすじは、全ての人間が食べログで飲食店を評価するように他人を評価し合う社会において、評価4.5以上の高いランクを得ようと評価4.2の主人公レイシーが必死になるというものです。

なぜ必死になるかというと、自分の数値によって行動や受けられるサービスに制限があるという露骨な差別があるからです。たとえば、数値が低くなりすぎると会社のゲートで止められてしまい、出社できなくなります。

主人公は、自分の評価を上げようと必死になりすぎて、空回りして空港で警備員から「ダメージ2倍ペナルティー」まで受けてどんどん評価が下がっていきます。Nosediveです。

SNSにアップされた写真を評価するだけではなく、日常生活でも目に入れた拡張現実レンズによって他人の評価が数値として顔の横に出てきます。

匿名で評価することもできますが、名前を明かして相手に5の評価をすると、相手からも5の評価をしてもらいやすくなります。そのため主人公の女性は、上辺だけのやり取りが増えて、美味しくもないクッキーとカフェラテの写真に「最高のコーヒー」とかのキャプションを付けてアップしたりしています。この辺はヤフオクの出品者と落札者の関係に似ていると思います。

仲間内で高評価をしまくっても、数値を上げることは難しくなっています。4.5以上の仲間入りをするには、5に近い人間から多数の評価をもらう必要があります。この辺は以前存在した、Googleのネット上のサイトの重要度を評価する「pagerank」に近いです。

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「ランク社会」ではSNSの発展した社会を垣間見ることができます。いかに自分が「良い生活」をしていて「ランクの高い」友達が多いかをfacebookで見せ合うわけですから、現実にもこんな感じですけど。ただ、金融機関の信用情報や就活までもソーシャルメディアのランクによって左右されるようになるというのは、かなり怖いです。

ランクを上げたくて必死の主人公が痛々しくて見てるのがけっこう辛いですが、面白いエピソードでした。僕がfacebookをやらないのは、まさにこういう上辺だけのやり取りに時間を使うのが嫌だからというのが大きいです。他人からの評価だけを気にして、無理して自分の価値観から外れたグループに入っていくなんて嫌ですかね。

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