羽田圭介 成功者Kの感想

羽田圭介さんの本って今まで一冊も読んだことがりませんでした。この「成功者K」は一応フィクションですが、芥川賞を受賞した後に「成功者」となりテレビに多数出演した時の事が書かれているということで興味があり読んでみました。これ、装丁デザインが恥ずかしいので電子書籍(kindle)で買いました。

まず、僕は一般的な人よりもテレビを見ています。バラエティー番組、ワイドショー、NHKスペシャルなど、ドラマとアニメとスポーツ以外はけっこう見ています。よく小説の中で登場人物の苦悩と対比するために、小説家が「くだらないお笑い番組」と書きますが、そういう番組をよく見ています。

だから、よく羽田圭介さんをテレビで見てましたが、基本的にほとんどの小説家はテレビ対応できないし、そもそもテレビに映りたくないと思っているはずですから、良いポジションを得たなと思っていました。本業では無い人から見たテレビ業界というのはどういうものなのだろうという興味が大きかったし、他の人が書かないような部分を書いてくれるだろうという期待もありました。

結果、面白く一気に読めました。
※一番最後にネタバレというか結末に関する感想を書いています。

「成功者K」は文化人枠としてテレビに出たい人にはかなり参考になる本だと思います。番組のギャラがいくらで、ギャラ交渉でどれくらいまで引っ張れるとか、雑誌インタビューはいくら、講演料はいくら、ウェブサイトの記事はいくらとか具体的な数字は書いていませんが、大体分かります。そういった情報暴露系の需要といのが存在するという計算もあるのでしょう。

テレビ出演したら楽屋に置いてある2、3個の弁当は全て食べるとか、楽屋挨拶をすべきか悩むとか、メイクされている間どうしていいか分からないとか、密着取材のクルーに不信感を抱いたり、株のスイングトレードをしたりとかけっこう本当の事を書いてる所が多いと思います。

ただ、モテるのは確かだと思いますが、この本の売りになっている女性関係は妄想ではないかなと。なぜなら、「女性に合鍵を渡したことが無い」とか「出版業界に未来を感じないから稼げる時に稼いで貯める」とか「深夜に高速を飛ばすタクシーに乗っていると死ぬ確率が高くなる」とかリスクに対して色々考える人だからです。そんな人がファンに簡単に手を出したりしないだろうと思うんです。

そんなわけで「成功者K」は8割くらいノンフィクションじゃないかと思います。

成功者Kと作家仲間の「カトチエ」の対比がよく出てきます。最初は自分が芥川賞を受賞し、テレビに多数出演しお金を得たのは「必然」だと思っていましたが、カトチエと接触するたびに段々「偶然」だったのではないか?と思うようになり、現実と妄想の境が分からなくなっていきます。

株のトレードで短期的に資産を1.3倍にし、自分を「東証の虎」と呼ぶ描写があります。思い通りに株価が動き、利益確定できた時は、なんて自分はトレードが上手いんだろうと思ってしまいますが、単に地合いが良かっただけという場合が多いです。自分では「必然」だと思っていたのに、本当は単に「偶然」だったということがほとんどなのが株やFXです。

そして、今日(2017年3月25日)からテレ東の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」で蛭子さんの代わりとして羽田圭介さんがレギュラーとなるようです。「成功者K」を読んでからこの番組を見ると、この辺はサービスでわざとやってるんだろうな~とかが分かるようになるのでより楽しめるかもしれません。

成功者K
成功者K

●ネタバレの感想

ここからネタバレというか結末部分に触れています、未読でネタバレが嫌な人は読まない方が良いです。

一番気になるのは、どれがドッキリだったのか?ということですよね。パラレルワールドの現実ではマイバッハを購入しておらず、ドッキリ番組が既に放送されていたというような描写があります。芸能人と付き合い出し頃から妄想がかなり入ってきているという感じじゃないかなと思います。ラストを余韻があるものにするために、現実と妄想の境界は意図的に曖昧にしているじゃないかなと思います。

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