FX取引の王道 外貨資産運用のセオリーの感想 超初心者向けではないが良書!

『FX取引の王道 外貨資産運用のセオリー』という本の著者・大西知生さんの名前は、FXのマネーパートナーズグループがFXcoinという会社に出資したという開示情報で知りました。出資金額は非開示となっています。仮想通貨関連のスタートアップ企業で情報もほとんど無いのですが、ブルームバーグの記事によると

大西氏は昨年12月にドイツ銀を退社、FXcoin(東京・目黒区)を設立した。ドイツ証券、野村ホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループ、英HSBCホールディングスなどからコンプライアンスやリスク管理、マーケティング、セールスの専門家を起用、ビットコインなどの仮想通貨の交換業務開始に向け準備を進めている。

と書いてあります。日本の仮想通貨交換業の中でも、本格的に金融の専門家が集まっている企業のようです。

Amazonで「大西知生」で検索したら日経新聞社から『FX取引の王道 外貨資産運用のセオリー』という本を出していたのでkindle版を購入して読みました。外貨投資をしてみたかったけれど、どうして良いか分からないという人向けに書いたとのことですが、かなりの良書だと思います。個人的にはFX関連書籍では一番良い本ではないかという感じです。

FX取引の王道 外貨資産運用のセオリーはどんな本?

為替市場、FXの仕組み、ファンダメンタルズ分析、チャート分析、けっこう具体的な投資法(マトリクス投資法)など、FXを始めるに当たって知る必要があることは、コンパクトにまとまっていて大体網羅しています。実際の売買にはテクニカル分析を使用します。

でも、当初のターゲットの、これから外貨投資(特にFX)を始める人にとっては、ちょっととっつきにくいと思います。なぜなら、他のFXの初心者向けの書籍と違って、「アウトライト取引」「スワップ取引(スワップポイントのことではない)」など、ちゃんと為替関連の用語解説やFX業者の仕組み、マクロ経済学の「国際金融のトリレンマ」「マンデル=フレミングモデル」、「購買力平価」、為替相場の歴史「ブレトン・ウッズ体制」「ニクソンショック」「プラザ合意」「リーマンショック」などについて書いてあるからです。

FX初心者にありがちなのは、「アウトライト取引」「ブレトンウッズ体制」などの単語が出てくると、なんか難しそう!もっと絵が多い本にしよう!と基本的なFXの仕組みや経済の基礎知識なんかをすっ飛ばしてしまうことです。でも、こういうちょっと難しい本(経済学の本なんかよりは全然分かりやすい)をちゃんと読んで、為替の根本的な仕組みを知った方が長期的には有益だと思います。

FXで顧客の損はFX業者の利益になるというのは本当か?

『FX取引の王道 外貨資産運用のセオリーの感想』は、ある程度FX経験がある人にとってこそ有用だと思います。

たとえば、「日本のFX業者はノミ行為をしているため、顧客の負けがFX業者の勝ち分」という都市伝説の様な物があります。でも、実際にFX業者はカバー取引を行っています。FX会社のユーザーからの注文には売りと買いの両方があるため、全てをカバーするのは非効率的です。売りと買いで相殺することを「マリー(marry)」と言い、マリー率は6割ほどだそうです。

FX会社が顧客の取引の相手方となっているため、顧客がFX取引で損失を出せばその分FX会社が利益を出していると考えている人がいます。しかし、それは誤解でFX会社は顧客取引により発生したポジションをカバー取引か社内マリーにより解消しているため、顧客の損益がFX会社の損益と関連しているとは言えません。

このような「都市伝説」みたいな事もちゃんとデータを提示して否定していきます。

マトリクス投資法

本書内で紹介されている著者オリジナルの「マトリクス投資法」はとても参考になります。簡単に説明すると、一目均衡表の基準線、RSIなどの5つのテクニカル分析をします。それぞれにスコアを付けます。例えば、一目均衡表の基準線が上向きなら+1とか。そのスコアの合計値によって、自分のポジション調整をしていくという感じです。

どうなったら+1、+2なのかというのは例示されていますが、結局は自分で決めることになります。この辺のスコアリングを完全に定量化してルール化するというのは難しく、ある程度の経験が必要となってくるので、初心者にとってはちょっとやりにくいと思います。でも、テクニカル分析を複数使い、スコアリングをして持ち高を増減させるというのは、中級者以上にとってはとても参考になるのではないかと思います。少なくとも、僕は非常に良いヒントをもらったと思います。

損切りのルールなど、マトリクス投資法について詳しくは本書を読んでください。

外国為替取引についての基礎知識はこの本一冊で良いかも

もともとFX取引のベースとなっている外国為替市場は、金融市場の中でももっとも透明性が高く、公平で、流動性が高いものです。そして、外国為替市場は国や地域の政治・経済の動向、市場参加者の思惑など様々な要素を反映して動くため、投資全般を知るにはこの上ない対象となります。

というように、最後の方に書かれています。僕もそう思います。株や仮想通貨は流動性が低い物が多いので、意図的に価格操作しやすい物もありますが、為替の特にユーロドルやドル円を仕手が動かすのは無理があります。また、FXをやると結局はアメリカ経済、そして世界経済について勉強することになるので、株メインの投資家にとっても役立つ知識となります。

日本人は外貨資産を全資産の内3%程度しか保有していないようです。これからFXなどの外貨投資を始めるのであれば、『FX取引の王道 外貨資産運用のセオリー』買って半年に1度くらいは読み返すと良いと思います。レベルが上がるにつれて新しい発見があると思います。初心者向けと言うにはまともすぎる本なのが、逆に初心者向けではなくなっているというデメリットも。

とりあえず僕は「マトリクス投資法」を自分なりにアレンジして使用してみます。

FX取引の王道 外貨資産運用のセオリー
FX取引の王道 外貨資産運用のセオリー

スポンサーリンク
レクタングル大




レクタングル大




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサードリンク

スポンサーリンク