アインシュタインの複利の引用偽物説

よく「複利は人類最大の発明である」とか「複利は世界の8不思議に一つである」とか「複利は宇宙で最も強大な力である」とか、名言サイトなどでも色々な言い方で紹介されます。しかも、アインシュタインが言ったことになっています。

原文があるのかを調べたんですけど、全てが引用の引用であって、原典にたどり着かないのです。

英語の表現ですら、何通りもありますから、それを訳した日本語バージョンがまたさらに枝分かれしています。

May 27, 1983 The NY Times

Asked once what the greatest invention of all times was, Albert Einstein is said to have replied, ”compound interest.” His playful sense of humor and other aspects of his personality -as well as his genius – form the subject of a bus tour Sunday to the Institute for Advanced Study at Princeton, N.J., where the physicist worked during the last 20 years of his life. On the bus, which leaves from Broadway and Eighth Street at 9:30 A.M. and returns at about 5:30 P.M., Stephen Rosen, a science popularizer and author who is leading the tour, will talk about Einstein in layman’s language. At the institute, Valentin Bargmann, Einstein’s assistant from 1938 to 1943, who was also his friend and played chamber music with him, will talk and answer questions. The fee is $30. Reservations required: 580-0717. PARTYING AT CARNEGIE

文章として残っているのは、このニューヨーク・タイムズの1983年のイベント紹介記事だけです。(※アインシュタインは1955年に亡くなっています)アインシュタインについて科学ライターが紹介するバスツアーみたいな。30ドル。そのイベントの紹介記事です。「アインシュタインが言った」という、これも原典が良くわからない紹介です。

最初の一文を訳すと、

今までで最大の発明は何かと問われ、アインシュタインは「複利」と言ったそうだ。

みたいな感じです。 「is said to」は、伝聞を意味しますからこれもかなり怪しいです。しかも、この文章が挿入されているのは、アインシュタインにユーモアのセンスがあったことを示すためですし。

実際に何かのインタビューで軽く冗談として「複利」と答えたことがあるのかもしれませんが、都市伝説ですね。

なぜこうなってしまったかというと、高名な物理学者のアインシュタインが言うんだから間違いないだろうという権威付けのためにアメリカの証券か銀行業界の人たちが広めたというのが真相なんじゃないかなと。

物的証拠は見つかりません。どうやら、昔のアメリカの新聞広告にそれっぽい話が載ったようで、証券業界がアインシュタインが言ったことにしたというのが確率的に高いのではないかと。信じるか信じないかはあなた次第です。

複利はすごいと思いますが、あんなグラフみたいに上手くはいかないでしょう。なぜなら、再投資するタイミングが商品によってマチマチですし、そんなに毎年パフォーマンスが一定しないという。

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