小規模企業共済の解約手続き※共済金Aを受け取る手続きはこんなに面倒!

小規模企業共済の解約

小規模企業共済はメリットが大きいですが、受け取る時には書類を揃えるのがとても大変です。「自営業・フリーランスはお得な小規模企業共済に入ろう!」という感じの記事はネット上に多いのですが、「小規模企業共済の共済金を受け取った」「小規模企業共済を解約した」という記事は見たことが無いので書いておきます。

個人事業主の時から入っていた小規模企業共済を法人役員(一人会社)として受け継いで、その後法人を休眠。そして法人を解散して共済金Aを受け取った時の話です。今回、ちょっと事情がありまとまったお金が必要になったので、小規模企業共済を解約しました。

個人の場合には個人事業の廃止、法人の場合(法人の役員)には法人の解散によって共済金Aを受け取ることができます。

ちなみに、法人を休眠したまま小規模企業共済を受け取りたい場合には、「任意解約」になってしまうので元本割れする可能性が高いです。加入年数にもよりますが大体掛け金の8割くらいしかもらえません。※休眠したまま一般貸付を受けることは可能です。

共済金A受け取りに必要な書類

まず、共済金Aを受け取る際に必要な書類を調べます。こういう情報は公式サイトでも確認してください。

共済金Aを受け取るのに必要な書類は

1.共済金等請求書(様式 小 701)
2.退職所得申告書
3.預金口座振替解約申出書兼委託団体払解約申出書(様式 小 202・321)
4.履歴事項全部証明書または閉鎖事項全部証明書(商業登記簿謄本)
5.印鑑証明書
6.共済契約締結証書
7.マイナンバー(個人番号)確認書類

もうこの書類のタイトルの漢字の多さで嫌になりませんか?これだけ見ても面倒臭いことがお分かりでしょう。難易度の高いお使いゲームです。GTA5の強盗ミッションの方が楽です。

僕が取った行動がベストかは分かりませんが、一応お使いゲーム風に攻略順序を載せておきます。

書類を入手する

まず、中小機構のホームページから
http://www.smrj.go.jp/skyosai/request/index.html

  • 「共済金等請求書」
  • 口座振替・団体払解約申出書
  • の2つを請求します。電話での自動発送サービス、FAXでの資料請求、フォームから請求の3つの内から選ぶことが

    できます。僕はフォームからにしました。土日を挟まなければ2~3日すると郵送されてきます。その間に

    各種証明書を入手する

  • マイナンバー通知カードのコピー
  • 印鑑証明書を取得(300円)
  • 共済契約締結証書を探す
  • →見つからなければ最近中小機構から届いたハガキでも良いみたいです

  • 履歴事項全部証明書の取得
  • (600円)→コピーではなく原本

    をやっておきましょう。※コンビニでマイナンバー通知カードのコピーする場合には、コピー機に置き忘れないように注意!コピー終了の操作をちゃんと行ってデータが残らないようにしておいた方が良いです。

    共済契約締結書は数年前に加入したので、見つからないだろうな~と思って昔の書類が入ったダンボール箱を確認したら奇跡的に見つかりました。見つからない人は多いと思いますので、見つからなければ最近中小機構から届いたハガキで代用できます。

    履歴事項全部証明書は、法務局の出張所に行かないといけないので、普段行かないような場所まで出向く必要があります。法務省の「法務局・地方法務局所在地一覧」から最寄りの出張所を確認してください。

    出張所で法人の印鑑カードがあれば、カードを読み込ませて自動交付機で履歴事項全部証明書を選択します。

    整理番号表が出るので、その金額分の収入印紙を窓口で購入します。

    600円の印紙を買って貼り付けて受付の人に渡せば入手できます。

    「履歴事項全部証明書」を入手するには「解散登記」をする必要がありますが、それは別の記事で書きます。それも面倒なんです。

    書類に記入する

    「共済金等請求書」には、手続きのパンフレット的な説明書と、退職所得申告書が付いてきます。退職所得申告書は国税局のページからもPDFをダウンロードできますが、中小機構にもらった物を使った方が楽です。

    中小機構から1,2,3の書類が届いたら、記入をします。中小機構のサイトに書き方の見本が載っているので、それを参考にしてください。特に難しい所は無かったです。

    共済金等請求書の書き方
    http://www.smrj.go.jp/skyosai/dbps_data/_material_/common/chushou/d_skyosai/pdf/s_701_sample_keiyakusha_201604.pdf

    預金口座振替解約申出書 兼 委託団体払約申出書の書き方
    http://www.smrj.go.jp/skyosai/dbps_data/_material_/common/chushou/d_skyosai/pdf/s_202_sample.pdf

    僕の場合には、メガバンクの支店で小規模企業共済に加入したので、使用している口座情報と支店名などを書きました。別にそこの支店に行く必要は無いはずです。たとえば、みずほ銀行新宿支店で小規模企業共済に加入したけれど、引っ越したのでみずほ銀行大阪支店で解約の手続きをしてもOKです。

    用紙の最初の方にある「御中」と書いてある所は、特に何も書かなくても良いみたいです。真ん中あたりに押す印鑑は銀行届出印じゃないとダメなので注意してください。

    そして、1と3の書類を銀行に持って行って、銀行の確認印を押してもらいます。僕の場合には、掛金の引き落としの口座と共済金を受け取る口座は同じ銀行口座にしました。この2つは銀行に行く必要があったので、一番時間がかかりました。

    印鑑証明書は比較的近所に自販機があるので、それで済みましたが履歴事項全部証明書は法務局の出張所まで行かないといけません。※というか、そもそも解散登記が完了していないといけませんので、ここでは解散登記後の話です。解散登記の仕方については別の記事に書く予定です。

    マイナンバーの通知カードと免許証のコピーを取って、だいたい書類が揃いました。

    退職所得申告書の書き方

    2.の退職所得申告書の書き方と見本は
    http://www.smrj.go.jp/skyosai/dbps_data/_material_/common/chushou/d_skyosai/pdf/s_taishokushinkoku_201604.pdf
    にあります。

    「退職手当等の支払を受けることとなった年月日」は法人解散の日です。大体、株主総会の日でしょう。この申告書の提出先から受ける退職手当等についての勤続期間 というのは、小規模企業共済締結証書に書いてある契約の日から法人の解散日までです。

    この加入年数の計算は見本をよく見てください。見本だとH10年2月1日からH28年2月10日までが19年(1年未満切り上げ)となっています。だから、H10年2月1日からH28年1月15日までだったら18年です。年号だけで計算せずに、開始の月日をまたぐかまたがないかによって数字が1年変わる所に注意しましょう。

    おつかいのまとめ

    ●銀行で確認印をもらう

    ●市役所や自販機で印鑑証明を発行してもらう

    ●コンビニで運転免許証やマイナンバー通知カードをコピー

    ●履歴事項全部証明を取得しに法務局の出張所へ

    これらのお使いを1日で終わらせました。電車に2回乗り、歩きまわったのでスマートフォンの歩数計を見たら14000歩でした。そして、書類を全部まとめて17時直前に簡易書留で中小機構に送りました。さすがに、重要書類が多いので一般郵便で出さずに、郵便局まで行って簡易書留にしました。400円くらい。疲れた。

    僕は比較的暇なので1日がかりでほとんど全部終えましたが、忙しい人はこの手続やるの無理じゃないですかね?

    銀行なんか平日しか行けないですし。小規模企業共済が「退職金」という設定なので、働いてない人を前提にしているとしか思えない難易度のお使いゲームでした。働きながらだと小分けにするしかないでしょう。

    任意解約だと楽だけど…

    ちなみに、自己都合による任意解約の場合には

    1.共済金等請求書(様式 小 701)
    2.預金口座振替解約申出書兼委託団体払解約申出書(様式 小 202・321)
    3.共済契約締結証書、紛失の場合は印鑑証明書
    4.マイナンバー(個人番号)確認書類

    だけで済みます。これだったらなんとか行けそうですね。銀行などの金融機関に行くのが面倒なくらいです。任意解約の場合の退職所得申告書は、請求時に満65歳以上の場合のみ必要です。あまりに面倒だから任意解約にしようかなと思ってしまいそうですが、任意解約はデメリットが大きすぎます。

    小規模企業共済の自己都合による任意解約のデメリット

    まず、任意解約の場合は掛金納付月数にもよりますが、8割強しか戻ってきません。たとえば、100万円の掛金納付の場合、80万円が帰ってきます。そして、その80万円には一時所得として税金がかかります。特別控除が50万円分あるので30万円に対して税金がかかります。この税率は、他の給与所得や事業所得の合計によって変わるので、なんとも言えません。

    退職金扱いだと税金的に超お得

    一方、会社の解散や個人事業の廃業の場合には、共済金Aを退職金として受け取れることになります。何が違うかというと、掛金よりも多く戻ってきます。しかも、退職金扱いになるので、税金的にものすごくお得です。中小機構が源泉徴収してくれるので、共済金の受取だけだったら確定申告の必要はありません。

    ちなみに、退職所得の控除額は、勤続年数が20年以下の場合、勤続年数×40万円です。10年だったら400万円が控除されます。
    退職所得の金額=(収入金額(源泉徴収される前の金額)-退職所得控除額)×1/2 ですから、ほとんど税金がかかりません。
    ※ここでの「勤続年数」=「共済金を支払った年数」となります。

    たとえば、共済金Aが500万円で10年勤続の場合、500万 – 40万円 x 10 = 100万円 課税される所得は更に2分の1ですから50万円です。50万円から源泉徴収されるので、後で確定申告して戻ってくることもあるでしょう。

    ここで困るのは、小規模企業共済に入っていたけど、法人を休眠会社にして、個人事業主として活動している場合です。共済金Aを受け取るには、会社を解散させる必要があります。会社の解散には自分でやっても大体7万~8万円くらいかかります。

    休眠状態にして任意解約で小規模企業共済の共済金を受け取る方が良いか?などは手間暇とコストを考慮した方が良いです。僕は解散を選択しましたが、けっこう面倒でした。良い経験になりましたが。解散代行サービスにお願いすると、大体15万円くらいかかります。面倒なことが嫌いな人はお願いしてもいいんじゃないでしょうか。

    小規模企業共済の一般貸付を受けたまま解約する場合

    小規模企業共済を解約する前に、中小機構に請求すると共済金・解約手当金の資産というハガキを送ってもらえます。それを見ると掛金納付額の合計、そして解約/解除理由ごとの概算額が出ています。掛金納付額の合計から一般貸付額と退職所得に係る徴収税額を引いた額が概算額となっています。

    これって、共済金を受け取る時には貸付額が自動的に返済されて、残りを受け取ることができるのかな?と思ってお金を借りた時に商工中金でもらった書類を見てみました。

    小規模企業共済の一般貸付を受ける場合には、一般的に代理店である商工組合中央金庫(商工中金)から借りることになります。

    金銭消費貸借契約証書では、独立行政法人中小企業基盤整備機構から借りたことになっています。そして、借入要項の

    第3条 借主は、次の各号の事由のいずれかが生じた場合は、機構から通知又は催告がなくても、借入金について当然に期限の利益を失い、直ちに債務の全額を弁済します。

    (1)小規模企業共済法第9条第1項各号に規定する事由が生じたとき。

    第九条  共済契約者に次の各号の一に掲げる事由が生じた場合であつて、その者の掛金納付月数が六月以上のときは、機構は、その者(第一号又は第二号に掲げる事由が死亡によるものであるときは、その遺族)に共済金を支給する。

    一  事業の廃止(会社等の役員たる小規模企業者としての地位において締結した共済契約に係る共済契約者にあつては、その会社等の解散)があつたとき(第七条第四項第一号及び第二号に掲げるときを除く。
    二  会社等の役員たる小規模企業者としての地位において締結した共済契約に係る共済契約者にあつては、疾病、負傷又は死亡によりその会社等の役員でなくなつたとき。

    これらの要項と条文を読む限り、会社の解散をしたり、役員でなくなった場合には、直ちに一般貸付を返済しないといけないのではないか?とちょっと不安になってきました。

    会社の解散というのは、一人会社でも株主総会で決めることになりますから、株主総会で解散が決定したらすぐに返済しないといけないのか?とか。もしくは、解散登記された時なのかとか。よく分からないので、中小機構に電話して聞いてみました。

    一般貸付を受けている状態で解約したらどうなるのか?

    答えは解約時に借金は共済金で相殺されるとのこと。つまり、一般貸付で借り入れしている額が引かれて、共済金を受け取ることになります。もし、解散したら直ちに返済しないといけないとなると、共済金を受け取る前に資金繰りしないといけませんから良かったです。

    書類提出からどれくらいで共済金が入金されるのか?

    中小機構のホームページには、共済金が入金されるのは解約の書類が届いてから約3週間と書いてあります。3週間目から毎日銀行口座をチェックしていましたが、実際に入金されたのは25日目くらいでした。3.5週間くらいでした。同時に、中小機構からハガキが来ます。その後、一般貸付が返済されたというお知らせも来ました。

    共済金Aを受け取る

    受け取って分かった小規模企業共済のデメリット

    サラリーマンに比べて、不安定な自営業・フリーランスは急にお金が必要になる可能性が高いです。そういう時にすぐにお金が手に入らないのが小規模企業共済のデメリットですね。書類を揃えるのが面倒すぎます。結局、支払った分より多くなって戻ってきましたし、節税にもなりました。節税しつつ貯金ができるというのが小規模企業共済の最大のメリットです。

    結論としては、小規模企業共済に加入しても、すぐに使える資金を別でプールしておくのが良いです。また余裕ができたら、もう一度個人事業主として小規模企業共済に加入するつもりです。iDecoもやってますが、60歳まで引き出せないのであまり自営業やフリーランスには向いていません。その点、必要になったらすぐに現金化できて小額で投資できるOne Tap Buyは良いと思います。

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