『ウエストワールド』シーズン1のネタバレ有りの感想

huluでHBOの『ウエストワールド』シーズン1全10話を見終わりました。そのネタバレ有りの感想なのでまだ見ていない人は読まない方が良いです。なぜなら、10話はかなりびっくりしたからです。ネタバレ無しの感想はこちら

まず、すごいと思ったのは映像作品で叙述トリックを完成させていることです。叙述トリックというのは、小説で使われる手法で、女だと思って読んでいたら最後に男だったと分かるみたいなやつです。小説のタイトルを挙げるだけでネタバレになるので実例は出せませんが、犯人が探偵を欺くのではなく、作者が読者を欺くことになります。

『ウエストワールド』の舞台は前回の感想で書いたように、客(ゲスト)が自由に遊べるオープンワールド的なテーマパークです。筋書き通りにプログラムされたアンドロイドである「ホスト」が毎日新たに訪れる「ゲスト」を楽しませるために、ループする日常を送っています。

序盤で「ホスト」の一人のドロレスの父親が外部世界の写真を拾うことによって、自分の存在に疑問を持ちます。この写真が、後のエピソードでも出てきます。客として来たウィリアムとローガンがその写真を持っていて落としてしまいます。

ここで、時系列がおかしいということに気づくわけです。ここから、写真を落とす「人間」も実はループの一部であり、登場人物全てがアンドロイドで、「運営」の更に上の階層が存在するのではないか?と疑っていました。

運営の何人かはアンドロイドだったわけですが、この予想は外れました。あの残虐な黒ずくめの男(エド・ハリス)がウィリアムと同一人物というのは全く予想外だったのでびっくりです!ループしていることから、タイムトラベル的なネタも使えるのかな~とは漠然と思っていましたが、そう来たか!と。

ドロレスの服が変わったり、傷口が急に閉じたりするのは、時間が変化していることを知らせる伏線だったわけですね。アンドロイドだから30年経っても老化せず、記憶は鮮明に残っていて現実のように追体験できるというわけです。でも、ウイリアムは人間なので老化して別人のようになってしまっています。

『ウエストワールド』ではアンドロイドである「ホスト」は殺されてもまた再生される(リスポーン)するので生の重みというのがどんどん感じられなくなっていきます。それだけに、何十年もあの中で生きてきたわけですから驚きも大きいです。

この様なドラマが放送できるのはさすがアメリカです。今までもハイレベルな作品を作ってきたケーブルテレビのHBOだからできたというのもあると思います。日本の地上波だったら企画段階でダメで恋愛とコメディ要素が多いものに変えられてしまうんじゃないでしょうか。WOWOWあたりだったら良いかもしれませんが、予算が。

結局、アンソニー・ホプキンスはアンドロイドに苦しみをわざと与えて、人間への復讐心をつのらせて、「ウエストワールド」を運営する人間に対する敵対心を育てていきます。最初から人間に攻撃するようにプログラムするのは簡単ですが、そうではなく「自由意志」を作りたかったのでしょう。そのために30年以上もかけるという。

アンドロイドに「自由意志」を持たせて人間に反乱させる。なぜそんなことをするのか?人間が働く必要が無くなっている未来では、それほどまでに退屈してしまったのでしょうか。最後にドロレスは「神」であるロバート・フォード(アンソニーホプキンス)を射殺しますが、まだフォード博士の背景は語られていないので、今後のシーズンで明らかになると思います。

全てのキャラクターには背景の設定(back story)が無ければならないみたいなことを、フォード博士自身が言っていましたから。「オープンワールド」「自由意志」「生きる意味」「アンドロイドと人間の命に差はあるか?」など色々と考えさせられますし、久しぶりにすごいドラマを見たなと思いました。個人的には歴代1位のドラマです。

ちなにみ、ドラマ内の「ウエストワールド」を運営している会社名の「デロス(delos)」ですが、古代ギリシャのデロスという島では「死ぬことが違法でタブー」とされていたそうです。LOSTに出てきたTHE DHARMA INITIATIVEもそうですが、Delosも意味深ですね。

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